痩せる

炭水化物抜きダイエットを実践すると、確かに痩せる事ができます。でもなぜ痩せるのでしょうか?

おそらく多くの方は、炭水化物というカロリーの摂取を控えているのだから、カロリーオフした分だけ痩せて当然、と考えているようです。もちろんそれもあります、が、それだけではありません。

1日の摂取カロリーが大幅ダウン

カロリーダウン

成人女性がバランスよい食事をした場合、1日のエネルギー摂取量は大体2,000kcal。

  • そのうち脂質とタンパク質で800kcal
  • 炭水化物で1,200kcalです。

1日2,000kcalのうち、炭水化物だけで1,200kcalも摂取しているんですね。

食事から炭水化物をできるだけ抜いて、1,000kcalのダウンに成功したとしましょう。

毎日1,000kcalダウンなら、1週間で7,000kcal。約1キロの脂肪に相当します。

単純に脂肪だけで考えると1週間に1キロずつ、2ヶ月で8~9キロ減るわけですが…
それだけではないのが厄介なところです。

通常時と炭水化物抜きダイエット時でのエネルギー消費の違い

脂肪燃焼

私たちは食事から炭水化物、脂質、タンパク質を摂って、まずはエネルギーなどに利用して、余った分は脂肪などに変換して蓄えています。

通常時のエネルギー消費

通常の食事をした後は、摂取したブドウ糖が血液の流れの乗って全身に運ばれて、エネルギーとして消費されます。このとき、余りそうな分のブドウ糖(グルコース)は、グリコーゲンというものに変えられて肝臓に貯蔵されます(肝グリコーゲン)。この貯蔵庫がいっぱいになると、残りは脂肪として溜め込まれます。

食後、何時間も経過すると、血液中にあったブドウ糖は消費されて少なくなってきます。すると今度は肝グリコーゲンとして溜め込まれていた糖質を再びブドウ糖(グルコース)に変換して、血液中に放出されます。

肝グリコーゲンが消費されて残り少なくなってくると、今度は「糖新生」という方法で、「脂質」や「タンパク質」からブドウ糖が作られ、これも血液中に放出されエネルギーとして利用されます。

そして再び食事をすると血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が上昇し、糖新生はストップします。

炭水化物抜きダイエット時のエネルギー消費

炭水化物抜きダイエットを行っているときは食事からほとんどブドウ糖は入ってきません。しかも、いつもなら貯蔵してあるはずの肝グリコーゲンも常に空っぽ状態です。

しかし体にはエネルギーが必要です。特に「脳」や「赤血球」にはブドウ糖が必要です。

そこで体は、上でも説明した「糖新生」をひたすら行って、ブドウ糖を作り続けます。

この「糖新生」を行うために、「中性脂肪」や「筋肉」を分解して、ブドウ糖を作るための材料とするのです。
(糖新生で作り出された貴重なブドウ糖は、優先的に脳や赤血球で使用されます。)

最初に減るのは脂肪ではなく、むしろ「筋肉」の方

筋肉が減少する

炭水化物抜きダイエットを行うと、糖質不足を補うために脂肪や筋肉が分解されて消費されます。

と言いましたが…、糖新生で消費される脂肪:タンパク質(筋肉)の割合は、1:9で、ほとんどは筋肉(のタンパク質を分解して得られるアミノ酸)です。中性脂肪はほとんど使用されません。

つまり、糖新生で消費されるのは脂肪よりむしろ筋肉の方だということになります。

筋肉の減少は、「体重」の減少に大きく貢献します。なぜなら筋肉の7割は水分ですので、筋肉のタンパク質がわずか300グラム減少するだけで、「体重」が1キロ減少するのです。

炭水化物抜きダイエットを始めると、体重があっという間に減っていきます。でもそれって…実は脂肪が減ったんじゃなくって、筋肉(タンパク質と水分)が減っていたんですね。

なぜ脂肪も減るのか?

体脂肪

ブドウ糖不足を補うために行われる糖新生。でもその材料のほとんどは脂肪ではなく筋肉のタンパク質です。

でも脂肪もちゃんと減ります。なぜでしょう?

あまりにも糖質を制限しすぎると、糖新生で作られるブドウ糖だけでは、脳や赤血球に最低限必要なエネルギー量が全然足りないのです。

 

そのため、中性脂肪が分解されてできる「脂肪酸」も利用します。脂肪酸そのままではブドウ糖の代わりにはなりませんが、脂肪酸から作られる「ケトン体」なら、脳で使うエネルギーとして代用できるのです。

脳に必要なブドウ糖が足りないからケトン体で代用する。そのケトン体の材料として、脂肪酸が必要。だから脂肪がどんどん分解されて消費されるわけです。

あと、脂肪酸は血液に乗って体中を巡るわけですが、汗に混じるなどして体外に少々排出されます。つまり、エネルギーとして使われる以外にも、外に「捨てる」分も少しはあるということになりますね。

確かに痩せますが、問題点があります

炭水化物抜きダイエットの問題点

上記の通り、炭水化物抜きダイエットを行うと通常よりも脂肪が減りやすい状態になります。

でもなぜ、低血糖時以外には糖新生による脂肪燃焼がなされないのか?というと、糖新生によるブドウ糖産生は「生きるための最後の手段」であり、好ましくない状態だからです。

「ケトーシス」という危険な状態になります

脂肪が糖新生されてブドウ糖が作り出されるとともに、ケトン体という物質も作り出されます。このケトン体が厄介者で、多少の毒性を持ちます。

最初の方でも述べたとおり、「糖新生」は普通の食事をしていても空腹時(低血糖時)には起こり、ケトン体は作られています。

しかし炭水化物抜きダイエットをすると、ずっと糖新生をしている状態となり、ケトン体が作られ続けることに。

このケトン体が血液中に異常に多い状態を「ケトーシス」といいます。炭水化物抜きダイエットはこのケトーシス状態を強制的に作り出すダイエット方法なのです。

ケトーシス状態による健康被害は数多くありますが、ひと言で簡単に言うと・・・この状態が長く続けば死亡します。

炭水化物抜きダイエットは確かに痩せやすいです。しかし危険と隣り合わせだということを、忘れないで下さい。
(もちろん危険な理由は、これだけではありません)

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